それぞれの道を

・カニ。
闘争心の男。練習では時に激しく、時に明るく、盛り上げてくれていました。
個人的にはファウルを受けて痛がってるカニよりも、相手をグッと睨みつけてすくっと立ち上がるカニが好きだよ。
炎のようなあの闘争心を忘れずにこれからもサッカーを続けて欲しい。
カニの身体能力は特別なもの。まだまだそのポテンシャルを十分に発揮できていない。カニならもっともっとゴールを決めることができる。
私は天国に捧げた福岡戦のゴールをいつまでも忘れないよ。
カニ。ありがとう。

・ミヤ
誇り高き愛媛のキング。ミヤが来てから練習に活気が出ました。
「枠入れようぜ！」
ミスした選手を冷やかす楽しい野次。静かになりがちだった練習風景が明るくなりました。
また全体練習が終わったあとにはミッキーなど居残り練習をする選手にアドバイス。まさにプロフェッショナル。
私は今年、もっとも印象に残っているのは広島相手にボロ負けし、目の前で昇格を見送ったあの試合。
終盤、誰よりも泥臭く、がむしゃらにボールを追いかけていたのがミヤでした。
これからもその誇りを胸にミヤはミヤであり続けて欲しい。
ミヤ、ありがとう。

・カミマール
私の中で川北と並ぶぐらい「いい人」。
１人ぽつんとしている選手がいると大抵、声をかけたり、一緒に練習したり。
若い選手ってどうしても「他人は他人」とドライになりがちだけれども、カミマールだけは誰よりもチームメイトのことを思いやれる優しさをもった選手。
でも、申し訳ない。もっとも印象に残ったのはサテライト広島戦で負傷交代したときの顔なんです。
カミマールがあれほど感情をあらわに悔しがる姿は意外だったのでこっちまで泣きそうになりました。
優しい人は誰よりも強い人。これからもサイドを走り続けろ。カミマール。
ありがとう。

・ササ
照れくさそうに笑う笑い方が好青年。
試合では危険を顧みず、相手のＧＫやＤＦとしょっちゅう激突する姿が印象に残っています。
日本人かどうか疑わしい、その強靭な身体能力。ひたむきにチェイスを続けるマジメさ。
ノーファウルなのに競り合って倒れた相手を気遣う優しさ。
ときにその優しさはプロサッカー選手としてマイナスになることもあるけれど、ササはササでいいと思う。
ただ、もっとササの笑顔を見たかったし、もっと活躍できたはず。
これからも走り続けて欲しい。
ササ。ありがとう。

・ホッシー
私の中ではライオンと言うよりも「侍」。
いつも練習には早くやってきて、率先して準備や後片付け。
決して雄弁なタイプではないけれど、その背中が何よりも若い選手へのメッセージになってたと思います。
ホッシーのような「男は黙って背中で語れ」という男はだんだん少なくなってきました。
いい男だからあんなステキな奥さんがもらえるんだな、と内心思ってました。
ホッシーで印象に残ってるのはサテライトの鳥栖戦。
鳥栖の選手と試合中、かなり激しくやりあって、審判に注意されたりしていたのですが、決して一歩も引かず、やられたらやりかえしてました。
普段はクールによく読書してたり、一見、もの静かそうに見えるけど、実は火のような内面をもつ男。
ホッシー、ありがとう。